PRESS RELEASE
ソラミツ株式会社
東京、日本
プレスリリース
2021年11月5日金曜日

ソラミツ、Datachainと技術連携。相互運用性の確保による異なるデジタル通貨の同時交換を実現へ

株式会社Datachain(本社:東京都港区、代表取締役:久田 哲史、以下、Datachain)は、ソラミツ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:宮沢 和正、以下、ソラミツ)と技術連携を開始しました

今回の取り組みでは、The Linux FoundationのHyperledgerプロジェクトのうちの1つ、ソラミツが当初提供したHyperledger Irohaにおいて、Datachainが開発をリードするHyperledger Lab YUIを用いることで、CosmosのIBC(*1)によるインターオペラビリティを可能にし、Hyperledger Irohaで構築された異なるブロックチェーン上のデジタル通貨の同時交換(アトミックスワップ)を実現します。
Hyperledger Irohaは、カンボジア王国のCBDC(中央銀行デジタル通貨)「バコン」や、福島県会津大学のデジタル地域通貨「白虎」など、様々なデジタル通貨プロジェクトの基盤として国内外で活用されています。今後、そのようなデジタル通貨同士の交換等を目的に、すでに実用化されているプロジェクトへの応用を検討してまいります。
Datachainとソラミツは、ソラミツが当初提供したHyperledger Irohaにおいて、CosmosのIBCを用いたインターオペラビリティ実現のため、技術連携を開始しました。

今回の取り組みでは、Hyperledger Irohaで構築された異なる2つのブロックチェーンと各ブロックチェーン上のデジタル通貨(トークン)を用意し、IBCを用いて各ブロックチェーン上のデジタル通貨の同時交換を実現します。

技術的には、Hyperledger IrohaはEVM(Ethereum Virtual Machine)互換性を持つため、
Interchain Foundationからの助成金によりDatachainが開発を進めるIBC-Solidity(IBCの
Solidity実装)を利用します。その上で、Hyperledger IrohaにおけるICS-20(IBCにおけるトークン転送について定めている標準)のサポートや、Hyperledger Irohaのブロックチェーン間をつなぐRelayerの設計実装を行います。

なお、今回のHyperledger IrohaにおけるIBC対応は、Datachainが開発をリードするインターオペラビリティを実現するためのOSSプロジェクトであるHyperledger Lab YUIとして実装を行ってまいります。
想定ユースケース

ソラミツが開発をリードするHyperledger Irohaは、次のような国内外のデジタル通貨プロジェクトにおいて、既に実用化が進んでいます。

● カンボジア王国のCBDC「Bakong/バコン」
● 福島県会津大学のデジタル地域通貨「Byacco/白虎」
● 福島県磐梯町のデジタル商品券「磐梯町デジタルとくとく商品券」

上記の例のように、今後様々なデジタル通貨の流通が本格化すると、デジタル通貨同士の同時
交換(PVP決済(*2))のニーズが生まれます。

Datachainとソラミツでは、そのような複数の異なるデジタル通貨によるPVP決済の実現を見据え、今回の取り組みを行ってまいります。
今後について

Datachainでは、Hyperledger Lab YUIを用いたHyperledger IrohaのIBCによるインターオペラビリティ実現後、ソラミツと共にHyperledger Irohaにおける具体的なユースケースへの応用を目指してまいります。

また、Hyperledger FabricやHyperledger Besuなど、その他のブロックチェーン基盤との相互接続についても、ユースケースへのニーズに応じて、検討してまいります。
Hyperledger Lab YUIについて

Hyperledger Lab YUIは、様々なブロックチェーン基盤においてIBCによるインターオペラビリティを実現するためのプロジェクトです。Datachainが開発をリードしており、Hyperledger LabとしてOSSで提供しています。

通信プロトコルにIBCを採用しているため、第三者の仲介者の信頼に依存することなく、異なるブロックチェーン同士をつなぐことが可能です。

今回新たにサポートするHyperledger Irohaの他、Hyperledger Fabric、Hyperledger Besu、Cordaなどの主要なエンタープライズブロックチェーンに対応しています。また、Ethereumについても対応作業が進行しています。

Hyperledger Lab YUIの詳細については、以下のリンクをご覧ください。
https://github.com/hyperledger-labs/yui-docs

*1 IBC:Inter-blockchain communicationの略称。Interchain FoundationおよびCosmosプロジェクトによって策定が進んでいる、ブロックチェーン同士の相互運用性を担保するための仕様標準。

*2 PVP決済:Payment Versus Payment決済の略称。異なる通貨間の取引を同時決済すること。
株式会社Datachainについて

社名 :株式会社Datachain
事業概要:ブロックチェーン技術に関連する企画・開発
設立 :2018年3月
所在地 :東京都港区六本木四丁目1番4号
代表者 :代表取締役 久田 哲史
URL :https://ja.datachain.jp/
ソラミツについて

ソラミツはブロックチェーンベースのインフラストラクチャー、決済システム、本人確認ソリューションの開発に特化した日本のフィンテック企業です。

  • カンボジア国立銀行と共同で、ソラミツは世界初の中央銀行によるローンチとなるブロックチェーンベースの決済システム「バコン (Bakong)」を開発しました。セントラル・バンキング誌はこの成果を評価しソラミツに初のCentral Bank Digital Currency Partner Awardを授与しました。
  • ソラミツは「ハイパーレジャーいろは (Hyperledger Iroha)」 というオープンソースのパーミッション型ブロックチェーンプラットフォームのオリジナル開発者および主要な開発貢献者です。いろはは様々なビジネスや金融機関におけるデジタルアセット管理やアイデンテティ管理を容易にすることを目的としています。
  • ソラミツはWeb 3.0 Foundationから、分散型トークン交換プラットフォームの「ポルカスワップ (Polkaswap)」のみならず、「かごめ (KAGOME)」というPolkadot HostのC++実装についても助成金を受けてその開発を行なっています。
  • ソラミツはクサマ基金 (Kusama Treasury) から助成金を受け、フィアレス・ウォレット (Fearless Wallet) と呼ばれるオーダーメイドのモバイルクライアントアプリケーションを開発しています。本アプリはKusama・Polkadot両ネットワークにおけるP2Pの自己管理型トランザクションを特別な機能やユーザー体験と共に提供します。
  • ソラミツはファイルコイン (Filecoin, FIL) 開発者のProtocol Labsから委託を受け、ファイルコインプラットフォームのC++実装であるFUHONの開発を行なっています。
  • ソラミツはさらに、商品やサービスが市場へ供給される方式の変革を目的として、SORAという画期的な分散型経済システムを開発しています。より詳しい情報はsora.org をご覧いただき、AndroidではGoogle Play Storeで、iOSではAppStoreからスマートフォンアプリSORAをダウンロードしていただけます。
ソラミツの技術やビジョンについてより詳しくは、公式ウェブサイトをご覧ください。
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* 株式会社Datachainは、株式会社Speee(本社:東京都港区、代表取締役:大塚 英樹、東証JASDAQ:4499)の子会社です。
* 本資料に記載されている会社名、商品名、サービス名は、各社の商標又は登録商標です。