PRESS RELEASE
ソラミツ株式会社
東京、日本
プレスリリース
2023年11月29日水曜日

ソラミツ、ソロモン諸島中央銀行が CBDC 実証実験を実施

ソガバレ首相、8カ国の中央銀行総裁らによる式典開催

ソロモン諸島中央銀行(ソロモン諸島ホニアラ、以下CBSI)とブロックチェーン技術開発企業のソラミツ株式会社(代表取締役社長:宮沢和正、グループCEO:武宮誠、本社:東京都渋谷区、以下ソラミツ)は、経済産業省の新興国DX等新規事業創造推進支援事業費補助金を活用して、2023年11月1日から中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験(PoC)を開始しました。ソラミツ社が提供するシステムを利用し、CBSIは個人間・企業間送金・店舗での支払い(リテールCBDC)、銀行間決済(ホールセールCBDC)や国際送金シミュレーション(クロスボーダーCBDC)などのユースケースの試験を実施しています。
CBSIは、2023年11月3日付で、中央銀行がCBDCを発行するために必要な法律「CBSI(修正)法2023」を既に制定しています。2023年10月17日には、CBSIとソラミツにてCBDC実証実験開始の契約を締結しています。
2023年11月28日には、CBDC実証実験の式典が開催され、ソガバレ・ソロモン諸島首相、クマ財務大臣、フォラウ中央銀行総裁、三輪駐ソロモン日本国特命全権大使、池田日本政府内閣官房参事官、渡邉JICAソロモン支所長、ソラミツの出席の下、参加者のスピーチとテープカット、CBDCのデモンストレーションやビデオ上映などが行われました。ソガバレ首相は「CBDCは、安全性、信用力、プライバシーを向上し、一人として取り残さずに金融サービスを提供し、ソロモン諸島に持続的な経済発展、技術開発をもたらし、新しい時代を実現する」と述べました。この式典には、フィジー、バヌアツ、サモア、トンガ、オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニアの各中央銀行も参加しました。
2023年11月29日には、上記8カ国の中央銀行総裁が参加する第38回大洋州中央銀行総裁会議に、日本政府内閣官房やソラミツが参加しました。ソラミツからは、CBDC実証実験の成果やCBDCの金融セクター・国民・産業セクター・政府などに与える効果を説明し、大洋州島嶼国各国がCBDCを導入するメリット等についても理解を求めました。
CBDCシステム「Bokolo Cash」は、パーミッション型ブロックチェーンの一種であるソラミツが元々開発したハイパーレジャー・イロハ・バージョン2を活用して構築されています。CBSIはこのシステムを使用して「CBSI(修正)法2023」に基づきソロモン諸島ドル通貨と1対1の価値をもつBokolo CashのCBDCを発行し、実証実験の参加者はBokolo Cashを購入して利用します。これらのCBDCは、実証実験の範囲内で送金や支払いに利用でき、個々の参加者同士や企業間でBokolo Cashを送金し、参加者がソロモン諸島ホニアラ市内のいくつかの参加店舗において商品購入のためにBokolo Cashで支払うことができます(リテールCBDC)。また、Bokolo CashはCBSIと商業銀行の間や商業銀行間での銀行間決済にも使用されます(ホールセールCBDC)。なお、Bokolo Cashは、ソロモン諸島において特別な用途に使用される貝殻から作られた貨幣「Bokolo」にちなんで命名されました。
Bokolo Cashウォレット・アプリを使用することで、実証実験の参加者や各店舗はスマートフォンでCBDCを管理できます。参加者は標準化されたQRコードをBokolo Cashウォレットでスキャンして、参加者同士や店舗での即時支払いができます。また、eKYCを含む国際基準に準拠した2段階の厳格な本人確認の仕組みが搭載されているため、将来的に国民IDシステムとの統合の可能性があります。なお、本実証実験の終了後はBokolo Cash CBDCは全てのエコシステム上からその価値を失います。
世界においてはパブリック・ブロックチェーンを通じたCBDCの国際送金の実証実験が行われ、グローバルな展開や相互運用性が検討されています。この実証実験では、ソロモン諸島の参加者の方々に国境を跨ぐBokolo Cashによる国際送金の実現可能性をテストする機会も提供されています。今回は1つの事例として、SORAパブリック・ブロックチェーン・ネットワーク向けにソラミツが開発したFearless Walletモバイル向けアプリを海外での相手先と想定して、Bokolo Cashウォレットの利用者からSORAネットワークを経由して海外の相手先へのBokolo Cashを国際送金するシミュレーションを行いました。実際に実現するためには各国の規制や中央銀行の方針にしたがって、どのような方法で実現するかについて詳細な検討が必要になりますが、これにより、Bokolo Cashを国際送金のユースケースにも拡張できるようになります(クロスボーダーCBDC)。
CBSIは、最先端のブロックチェーン技術を採用し、ソラミツおよびハイパーレジャー・イロハ・ブロックチェーンと連携することにより、ソロモン諸島の金融システムを高度化し、グローバル金融システムにおける金融包摂と相互接続性を促進することに貢献します。Bokolo Cashの実証実験は、ソロモン諸島の利益のために最新テクノロジーを最大限に活用しようと努めるCBSIによる意思決定を支援するための貴重なデータを提供します。金融システムの高度化は、革新的なソリューションのためのサンドボックスの活用と、ソロモン諸島におけるデジタル通貨の発展に対応するための「CBSI(修正)法2023」の制定によりさらに前進します。

ソロモン中央銀行について
ソロモン諸島の中央銀行および主要金融機関として設立されたCBSIは、国の経済発展のために、通貨の安定を促進、健全な金融インフラを育成、内外の通貨の安定を維持し続けています。

ソラミツ株式会社について
ソラミツは、ブロックチェーンの技術開発、デジタル資産管理、アイデンティティ、トレーサビリティなどに関するソリューションを提供する専門知識を持つ日本のフィンテック企業です。ブロックチェーン技術を活用し産業にイノベーションを起こし社会課題を解決する事をミッションとしています。

ソラミツは、民間及び公共部門におけるデジタル資産管理、アイデンテティ、トレーサビリティに最適な、オープンソースのコンソーシアム型ブロックチェーン・プラットフォーム「ハイパーレジャーいろは」の主要な開発貢献者です。The Linux FoundationのHyperledger Projectの一部となっている「ハイパーレジャーいろは」ブロックチェーンの柔軟なアクセス許可システムは、スケーラブルで高性能です。そのアーキテクチャは、トラフィックの多いマルチステークホルダー環境でのデジタル資産管理、アイデンテティ、トレーサビリティなどに適しています。

ソラミツは、これまでにブロックチェーン技術を活用し、カンボジア国立銀行のデジタル通貨システム、福島県会津若松市の会津大学内の学内通貨システム、インドネシアBCA銀行の本人確認システムのプロトタイプなどを開発してまいりました。また、いくつかの主要な日本の企業とともに実証実験を実施しており、SORA暗号資産エコシステム、ポルカスワップDEX(分散型交換所)、DeFi(分散型金融)フィアレス・ウォレットなどのオープンソース・プロジェクトに積極的に貢献しています。

ソラミツは、これらの経験に基づいて最先端のテクノロジーをグローバル・レベルに展開し、金融包摂と人々の健康維持を促進し、経済の非効率性を緩和し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献することを目指しています。

SORAMITSU is an award-winning global financial technology company with expertise in developing blockchain-based solutions for digital asset and identity management. Our mission is to use blockchain to promote innovation and solve pressing societal challenges.

SORAMITSU is the developer of and major contributor to the open-source blockchain platform Hyperledger Iroha, which is tailored for enterprise and public-sector use. Hyperledger Iroha, a project of Hyperledger Foundation, part of the Linux Foundation, has a permissions system that is scalable and performant.
Utilizing blockchain, SORAMITSU has developed a digital currency for the National Bank of Cambodia, a CBDC Proof-of-Concept with the Bank of the Lao PDR, a closed-loop payment system for the University of Aizu in Japan, an identity verification system prototype for Bank Central Asia in Indonesia, we were finalists in the Monetary Authority of Singapore CBDC Challenge, and are currently participating in Asia-Pacific's first proof-of-concept test of a cross-border, multi-currency security settlement system using distributed ledger technology with the Asian Development Bank. We have also conducted proof-of-concept tests for several major Japanese enterprises, and are active contributors to open source projects, such as Klaytn, South Korea's leading Layer-1 blockchain, KAGOME, the C++ Polkadot Host implementation, the SORA crypto-economic system, the Polkaswap DEX, and the DeFi wallet, Fearless Wallet.

Based on these experiences, SORAMITSU aims to deploy cutting-edge technology on a global level in order to expedite financial inclusion and health, mitigate economic inefficiencies, and contribute to the fulfilment of the Sustainable Development Goals.

SEE ALSO:
ラオス中央銀行とソラミツ、CBDC実証実験開始
ソロモン諸島中央銀行(ソロモン諸島ホニアラ、以下 CBSI)とブロックチェーン技術開発
GET IN TOUCH AND FOLLOW:

今回の発表に関するご質問は、下記にお問い合わせください。
担当:宮沢和正
ソラミツ株式会社
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5リンクスクエア新宿16階
問い合わせ先:info@soramitsu.co.jp
ホームページ:soramitsu.co.jp/ja