PRESS RELEASE

ソラミツ株式会社
東京、日本

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プレスリリース
2026年10月13日(火)

ソラミツ、Hyperledger Irohaの10周年を迎える

→ カンボジアの国家決済インフラから、アジア・太平洋地域のデジタル通貨や貯蓄の取り組みまで。10年にわたるオープンソースの協働を礎に、Hyperledger Iroha 3とSORA Nexusによる次の時代へ。
光に包まれた日本の神社で、白い稲荷の狐たちがHyperledger Irohaの10周年を祝うヘッダー画像。SORAMITSU、Hyperledger Iroha、SORA Nexusのロゴ入り。
東京、2026年10月13日 — ソラミツ株式会社(以下、ソラミツ)は本日、Hyperledger Irohaが2016年10月13日にHyperledger Projectのインキュベーションプログラムに採択されてから10周年を迎えました。ソラミツ、日立製作所、NTTデータ、Coluの貢献者によって当初提案されたIrohaは、国際的な協働を通じて、決済、デジタル資産、金融インフラを支えるオープンソース技術へと発展してきました。

この節目に、Irohaの実用化を支えてきた開発者、機関、コミュニティの皆様に敬意を表します。また、ソラミツはHyperledger Iroha 3とSORA Nexusを通じて、各機関が自らのシステムを管理・運営する権限を維持しながら、機関や市場がつながる未来に向けて取り組んでいます。

「先駆的な取り組みを進め、技術を築き、先導してきた10年間という大きな節目を迎えられたことを、Hyperledger Irohaのオープンソースコミュニティの皆様に心よりお祝い申し上げます。Global Blockchain Business Councilは感謝をお伝えするとともに、Hyperledger Iroha、そしてソラミツをはじめとする貢献者の皆様が、次の10年においても大きな成功を収められることを願っています。」

サンドラ・ロウ
Global Blockchain Business Council(GBBC)CEO
オープンソースとともに歩んだ10年

Irohaは、分散型台帳技術を実際のアプリケーションでより使いやすくするという実践的な目標から始まりました。デジタル資産、アイデンティティ、権限管理を重視した設計により、開発者による企業、金融機関、個人向けのシステム構築を支えてきました。2019年5月のIroha 1.0のリリースは、その目標を本番環境での利用につなげる重要な一歩となりました。

Iroha 2では、アーキテクチャを大幅に刷新しました。2025年2月には、LF Decentralized Trustが、パプアニューギニアとソロモン諸島における中央銀行デジタル通貨の概念実証での活用を紹介しています。世代を重ねても、各機関が運用でき、開発者が機能を拡張できる共有の技術基盤を実現するという目標は変わりません。

Bakong:国家規模で活用されるオープンな技術

その代表的な成果が、ソラミツとカンボジア国立銀行が共同開発し、2020年10月28日に正式運用を開始したBakongです。Hyperledger Irohaを基盤とするBakongは、参加金融機関をつなぎ、カンボジア・リエルと米ドルによる決済を支えています。

カンボジア国立銀行の『Financial Stability Review 2025』によると、Bakongの2025年の取引件数は約13億2,600万件となり、前年比118.7%増を記録しました。取引総額は899兆1,000億リエル(KHR)に達し、カンボジアのGDPの約4.5倍に相当します。リエル建て決済は、取引件数全体の58.2%を占めました。

同報告書には、域内8つの国・地域および4つの国際決済サービス事業者とのQR決済接続に関する取り決めも記されています。Bakongは、中央銀行の主導と金融セクターの幅広い協力の下で、オープンソースのインフラが、日々の決済を支える共通基盤となり、国際的な接続を広げられることを示しています。
参加銀行のゲートウェイ、モバイルアプリ、NBC Bakong Coreを結ぶBakongの構成図。
Bakongの当初の決済ゲートウェイ設計。参加銀行と利用者向けアプリをNBC Bakong Coreに接続します。
中央銀行、商業銀行、市場のデータスペースを接続するSORA Nexusの概念図。各データスペースがアクセス権限と情報の公開範囲を定義。SORAMITSUロゴ入り。
SORA Nexusの全体概念図。各機関のデータスペースは、それぞれのアクセス権限と情報の公開範囲を定めながら、相互運用のために接続します。
新たな地域と用途への広がり

カンボジアで培った経験は、アジア・太平洋地域の中央銀行との新たな取り組みにも生かされています。ラオスでは、国際協力機構(JICA)が開始した実現可能性調査を経て、ソラミツとラオス中央銀行が2023年にDLak(デジタル・ラオ・キープ)の概念実証を開始しました。

ソロモン諸島では、2023年に発表したBokolo Cashの概念実証を通じて、国内決済、銀行間取引、クロスボーダー送金のシミュレーションを検証しました。パプアニューギニアでは、ソラミツがパプアニューギニア中央銀行および日本の経済産業省とDigital Kinaの概念実証に取り組み、2025年1月に完了を迎えました。これらのプロジェクトは、各機関がより広範な導入を判断する前に、デジタル通貨を実践的な環境で評価する機会を提供しています。

Irohaの活用は決済にとどまりません。Palau Investは、経済産業省の支援を受けて2024年に発表した、Iroha 2を基盤とするデジタル貯蓄国債のプロトタイプです。国内の貯蓄を国の発展につなげることを目的としています。また、ソラミツは2022年に発表されたアジア開発銀行によるクロスボーダー証券決済の取り組みにも参加しました。日本では、決済システムByaccoを通じて、会津大学にデジタル決済を導入しました。

さらに、ソラミツはアイデンティティ、保険、サプライチェーンの分野でも活用を検討してきました。2019年には、PT Bank Central Asia Tbk(BCA)と自己主権型アイデンティティの概念実証を完了しました。パートナー間で共有する確認済み文書の暗号学的証明をIrohaに記録し、本人確認(KYC)や顧客の利用開始手続きを効率化することを目指したものです。

これに先立つSOMPOホールディングスとの取り組みでは、ブロックチェーンを活用した天候デリバティブの業務フローを検討しました。また、東レとのサプライチェーンの概念実証では、リサイクル素材のトレーサビリティを検証しました。
SORAMITSUが会津大学向けに開発したByaccoのモバイルアプリにおけるQR決済画面。
会津大学の学内決済システムByaccoのQR決済画面。
SORAMITSUの2023年の発表に掲載された、デジタル通貨DLakの概念実証における運用フロー図。
2023年に発表したデジタル通貨DLakの概念実証における運用フロー。
SORAMITSU、Hyperledger Iroha、SORAのロゴを配したPalau Investの貯蓄国債プロトタイプアプリ。2024年の発表資料より。
2024年に発表したPalau Investの貯蓄国債プロトタイプアプリ。
次の時代へ:経済をつなぐデータスペース

SORA Nexusは、データスペースを中心に設計されています。データスペースとは、銀行、中央銀行などの機関が、自らのデータ、権限、ポリシー、アプリケーションを管理する環境です。1つのデータスペースには複数のレーンを設けることができ、各レーンは1つのデータスペースに属します。レーンは、その環境内でトランザクションのルーティングと認証処理を担います。

開発中のHyperledger Iroha 3は、パブリック型、許可型、コンソーシアム型のネットワークを支える基盤技術です。Iroha Virtual Machineを通じて、決定論的な実行、明示的な権限管理、プログラム可能な資産を統合する開発を進めています。スマートコントラクト言語Kotodamaは、アプリケーションや金融取引のルールを実行可能にし、独立した検証を可能にすることを目指しています。

パブリックなトランザクション処理では、レーンがトランザクションの受け入れと順序を認証した後、処理対象となるトランザクションをグローバルチェーンが統合・実行します。レーンによる認証だけでは、決済の成功は確定しません。独立した署名を備えるデータスペースのルートは、独自の状態とローカルなファイナリティを持ちます。

目指すのは、各機関が自らのポリシーと非公開データを管理しながら、国内決済、クロスボーダー取引、デジタル資産をつなげられるようにすることです。ISO 20022を含む既存の金融メッセージ標準への対応も、既存システムとの統合を支えるための取り組みです。

また、このアーキテクチャは、独立して実行を行うデータスペース間で、関連する決済義務を連動させることを目指しています。例えば、通貨交換における双方の支払いを一体として完了させることや、証券の引き渡しと代金の支払いを連動させることです。Iroha 3とSORA Nexusのアーキテクチャについては、開発と検証を継続しています。
各データスペースの内部に複数のレーンを配置したSORA Nexusのアーキテクチャ概念図。各レーンは1つのデータスペースに所属。SORAMITSUロゴ入り。
SORA Nexusのアーキテクチャ概念図。データスペースは各機関のデータ、権限、ポリシー、アプリケーションを管理する環境です。1つのデータスペースには複数のレーンを設けることができ、各レーンは1つのデータスペースに属します。
複数のレーンを持つデータスペース内の、SORA Nexusのパブリックなトランザクション処理の概念図。レーンで受け入れと順序を認証した後、グローバルチェーンで実行。認証だけでは決済の成功は確定しない。SORAMITSUロゴ入り。
SORA Nexusのパブリックなトランザクション処理の概念図。1つのデータスペースに複数のレーンを設けることができます。パブリックレーンが受け入れと順序を認証し、グローバルチェーンが対象トランザクションを統合・実行して結果を記録します。認証だけでは決済の成功は確定しません。
「Hyperledger Irohaの最初の10年は、オープンソースの技術開発と、自国や地域社会への貢献に取り組む機関が出会うことで何が実現できるかを示してきました。カンボジア国立銀行との協力によるBakong、そしてアジア・太平洋地域のパートナーの皆様の取り組みによって、その目的は具体的な形になりました。

次の10年には、こうしたシステムの連携をさらに容易にしていくべきです。Iroha 3を基盤とするSORA Nexusを通じて、中央銀行、企業、その他の機関が自らの通貨、ポリシー、データに対する管理権限を保ちながら、世界の経済をつなぎ、高い経済成長を促進することを目指しています。」

武宮誠、PhD
ソラミツ共同創業者・グループCEO
次の10年をともにつくる

ソラミツは、Irohaの貢献者、メンテナー、研究者、パートナー、利用者の皆様、そしてLinux Foundation、Hyperledgerコミュニティ、LF Decentralized Trustに感謝申し上げます。開発者や各機関の皆様とともに、オープンな金融インフラの次の10年を形づくっていきたいと考えています。

ソラミツ株式会社について

ソラミツは、ブロックチェーンを活用した決済インフラ、デジタル資産、アイデンティティのソリューションを開発する、日本発のグローバルなフィンテック企業です。Hyperledger Irohaの創設時からの貢献者として、中央銀行、公的機関、企業、分散型エコシステムと協力し、経済効率の向上と金融サービスへのアクセス拡大に取り組んでいます。詳しくはsoramitsu.co.jpをご覧ください。

Hyperledger Irohaについて

Hyperledger Irohaは、LF Decentralized Trustのオープンソース・ブロックチェーンプロジェクトです。国際的な貢献者コミュニティに支えられ、デジタル資産、アイデンティティ、権限管理、プログラム可能なトランザクションのための技術を提供しています。

本件に関するお問い合わせ

ソラミツ株式会社
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